接骨院の経営で最も重要なのは、リピート率です。新規患者の獲得コストが年々上昇し、その患者様の継続率が伸び悩んでいる院が増えています。
患者様がリピートしてくれない理由と、その解決策をお伝えします。
患者様が二度と接骨院に来てくれない理由

表面的な理由の裏には、必ず本質的な課題が隠れています。まずは「患者様がリピートしてくれない」という事象の本質を理解しましょう。
見えない不信感が離脱を招く
患者様が「様子を見ます」と言って、二度と来院してくれない理由は何でしょうか。
患者様との信頼関係は、施術以外の要素で築かれます。
例えば、初回来院時の問診。
「どうされましたか?」と漠然と聞くのではなく、「いつから」「どんな時に」「どの程度」痛むのかを具体的に確認すると、患者様は「自分の症状をきちんと理解してもらえている」と感じます。
施術後の説明も重要です。
「今日はここまでですね」では不十分。
「今日の施術でこの部分の硬さが改善されました。ここからさらに良くなるために、次回はこのような施術を予定しています」という具合に、現状と今後の見通しを丁寧に説明すれば、継続的な来院の必要性を理解していただけます。
料金への不安が継続を妨げる
患者さんが二度目の来院を諦めてしまう理由のもう一つは、料金への不安です。
これは主に二つの要因から生まれます。
一つは、施術の必要性や期待できる効果が十分に理解できていないこと。
もう一つは、保険診療と自由診療の使い分けが不明確なことです。
自由診療を提案する際、「なぜ保険診療だけでは不十分なのか」という説明が不足していませんか?
料金の説明が後回しになることも、不信感を招く原因となります。 施術前に料金の説明を済ませ、患者様が安心して施術を受けられる環境を整えましょう。
接骨院のリピート率を高める具体的な施策

患者様のリピートは、一つの大きな改革ではなく、小さな改善の積み重ねによって実現します。まずは自院でできることから、一つずつ実践していきましょう。
施術計画の可視化
患者様と目標を共有してみましょう。
初回来院時に、症状の改善に向けた計画表を作成します。
「いつまでに」「どの程度」改善を目指すのか、具体的な目標を患者様と一緒に設定し、毎回の来院時に、進捗状況を確認しながら計画を調整していくのです。
単に痛みの軽減だけでなく、「階段の上り下りが楽になる」「寝返りがスムーズに打てる」といった、日常生活での具体的な改善目標を設定することが重要です。
スタッフ全員で取り組む患者様フォロー
院長だけではなく、スタッフ全員でリピート率改善に取り組みましょう。
受付スタッフから施術者まで、患者様の情報を共有してください。
カルテには、施術内容だけでなく、患者様との会話で得た情報(仕事内容、家族構成、趣味など)も記載します。
これにより、誰が対応しても一貫性のあるサービスを提供できます。
これらの取り組みは、一時的なものではなく、継続的な改善活動として定着させることが大切です。そのためには、定期的なスタッフミーティングで課題を共有し、改善策を検討する機会を設けることをお勧めします。

リピートしやすい快適な接骨院を作る

患者様の印象に大きく影響する、物理的な環境づくりについて解説します。
清潔感のある空間作り
施術技術以前に、院内の印象で継続を判断する患者様は少なくありません。
中でも院内の清潔感は、医療機関としての信頼性に直結します。
床や施術ベッドの清掃はもちろん、待合室の雑誌の整理や観葉植物のメンテナンスなど、細部への気配りが重要です。
また、スタッフの身だしなみも院の印象を左右する重要な要素です。白衣の清潔感、適切な長さの爪、清潔な身なり、これらは当たり前のことですが、意外と見落とされがちです。
リラックスできる雰囲気作り
緊張や不安を和らげる環境づくりが、継続的な来院を促します。
照明の明るさ、室温の管理、BGMの選択など、五感に働きかける要素に気を配り、患者様がリラックスできる空間を作りましょう。
特に初回来院の患者様は緊張していることが多いため、待合室から施術室まで、安心感のある空間づくりを心がけましょう。
接骨院としての専門性を強化して差別化

近隣に競合が増える中、選ばれる接骨院になるための戦略も考えてみましょう。
得意分野の確立
すべての症状に対応するのではなく、特定の領域で高い専門性を持つ接骨院を目指しましょう。
例えば、スポーツ障害、交通事故の後遺症、産後の骨盤ケアなど、特定の分野に特化することで、その領域での評価を高めることができます。専門性を高めるためには、院長やスタッフの継続的な学習が欠かせません。定期的な研修参加や、専門資格の取得を計画的に進めましょう。
効果を実感できる施術提供
継続的な来院のためには、効果を実感してもらうことが不可欠です。
そのためには、正確な施術技術を提供するのはもちろんのこと、患者様個々の生活習慣や職業に合わせてアプローチすることが不可欠です。
また、自宅でできるストレッチや生活上の注意点など、セルフケアの指導も効果的です。
リピートしてもらえる仕組みづくり

システマティックに患者様をフォローし、自然な形でリピート来院していただけるよう促しましょう。
効果的な予約システムの運用
予約管理システムを活用し、患者様の来院履歴や施術内容を一元管理することで、最適なタイミングでの予約提案が可能になります。
予約時間の柔軟な設定や、キャンセル待ちの活用など、患者様の利便性を高める工夫も必要です。
継続的なコミュニケーション
来院の間隔が空いても、つながりを維持する方法を考えます。
施術記録やカルテの丁寧な管理により、久しぶりの来院でも前回の状態から的確なフォローが可能になります。 定期的な情報発信や健康管理のアドバイスなど、来院以外の接点を持つことも効果的です。

患者様の心理を理解する

リピート率向上の鍵は、患者様の本当のニーズを理解することにあります。
痛みの先にある不安に寄り添う
身体の痛みだけでなく、その先にある生活上の不安に寄り添ってください。
患者様が抱える不安は、単なる症状の改善だけではありません。
仕事への影響、家事や育児への支障、趣味の継続など、生活全般に関する不安を抱えています。
これらの不安に共感し、解決の道筋を示すことで、信頼関係は大きく深まります。
期待値をマネジメントする
過度な期待は不満の原因ともなりえます。初回来院時に「すぐに治る」という期待を持たせることは避けましょう。
むしろ、改善までの過程と必要な時間を丁寧に説明し、現実的な目標を共有することが重要です。その上で、小さな改善を一つずつ実感していただくことで、継続的な来院につながります。
接骨院としての“価値”を見える化する

施術の価値を具体的に示すことで、継続の動機付けを強化します。
施術効果の可視化
数値やグラフで改善を実感していただきます。
関節の可動域、筋力の変化、痛みのスケールなど、客観的な指標を用いて改善状況を示すことで、施術の効果を実感しやすくなります。 定期的な測定と記録を行い、変化を視覚的に示すことで、継続の必要性を理解していただけます。
自費施術の適切な提案
必要性と効果を理解していただくことが、自費施術導入の鍵となります。
保険診療と自費診療を組み合わせる際は、その必要性と期待される効果を具体的に説明します。
特に、日常生活での具体的な改善イメージを示すことで、料金に対する理解を得やすくなります。
継続的にリピートを確保するために

リピート率向上は、思いつきで改善しただけでは実現できません。継続的にリピート率を向上させるにはどうすべきでしょうか。
データの活用と分析
「主観的な判断」から「客観的な経営判断」にシフトしましょう。
来院履歴、施術内容、改善状況など、日々の診療で得られるデータを活用することで、より効果的な施術計画が立てられます。
例えば、症状別の平均的な改善期間を把握することで、より正確な見通しを患者様に提示できるようになります。
リピートが途切れやすい時期や要因を特定し、予防的な対策を講じることも可能になります。
スタッフのモチベーション管理
院全体のサービス品質を高めるには、スタッフの意識向上が欠かせません。
定期的なミーティングでの情報共有、成功事例の共有、個人の目標設定など、スタッフ一人一人が成長を実感できる環境づくりが重要です。
患者様からの感謝の声を共有することで、仕事のやりがいを高めることができます。
地域との関係構築
地域に根差した接骨院として、信頼関係を築きましょう。
地域の健康イベントへの参加、学校や企業での健康講座の開催など、地域社会への貢献活動も重要です。
こうした活動を通じて、接骨院の専門性や特徴を地域に理解していただくことで、長期的な信頼関係を築くことができます。
【まとめ】地道な改善で長期的にリピートを獲得していく
リピート率の向上には、技術面だけでなく、コミュニケーションや環境づくり、システムの整備など、多角的なアプローチが必要です。一つ一つの要素は小さくても、それらが組み合わさることで、大きな効果を生み出します。
本記事では、すぐに実践できるものから長期的な取り組みまで紹介しました。まずは自院の状況を客観的に分析し、優先順位をつけて取り組んでいきましょう。患者様との信頼関係構築を最優先に、地道な改善を続けることが、長期的な成功への近道です。
リピート率の向上は、単なる施術技術の向上だけではなく、院全体としての総合力が問われます。一つ一つの改善を積み重ね、患者様にとってなくてはならない存在となることを目指していきましょう。
