私たちディプシーでは、新規開業でWeb集客の基盤を作りたい方から、既存サイトの集客が頭打ちになっている方まで、全国の多くの治療院から様々なご相談をいただいています。その経験から断言できるのは、今日の鍼灸院経営において、ローカルSEO(MEO、Googleマップ対策とも呼ばれます)は、最も即効性と持続性のバランスが取れた重要なWeb集客の柱だということです。
痛みや不調を抱えた患者さんの多くは、Googleマップを開き、地図上の上位3枠に表示された院から予約をします。この枠に表示されるかどうかが新規集客を大きく左右するのです。
小手先のテクニックではない、あなたの院が地域で選ばれ続けるための「本質的なローカルSEO戦略」を、専門家の視点から丁寧に解説していきます。
- 【この記事を読んでほしい人】
- 最短でGoogleマップの上位3位に入り、口コミ10件を効率的に獲得したい鍼灸院経営者
- 集客に行き詰まっている鍼灸院の院長
- 客単価向上のために集客戦略を構築したい鍼灸院経営者
- 効率的な店舗展開を実現したい多店舗展開を計画中の鍼灸院経営者
- ホームページオープンを検討中で、適切な予算配分で最大の集客効果を得たい鍼灸師の方
ローカルSEOの第一歩は「Googleビジネスプロフィールの最適化」

ローカルSEOの成功は、Googleビジネスプロフィールをいかに最適化できるかにかかっています。Googleビジネスプロフィールとは、Googleマップ上に表示されるあなたの院のデジタル看板のようなもの。単に情報を登録するだけでは不十分で、患者さんが知りたい情報を網羅し、かつGoogleに正しく評価されるために戦略的に設定しましょう。
基本情報の徹底入力:信頼性の土台を築く
まず、院名、住所、電話番号、営業時間、ウェブサイトURLといった基本情報を正確に入力します。
特に住所と電話番号の表記は、公式サイトや他のポータルサイトと完全に統一することが極めて重要です。
意外な落とし穴として、カテゴリ選択が適切になっていないというミスがあります。
主カテゴリは必ず「Acupuncture clinic」に設定し、副カテゴリで「美容鍼灸」や「スポーツ鍼灸」といった専門性を追加しましょう。
これにより、Googleがあなたの院の専門性を正しく認識し、関連性の高い検索結果に表示されやすくなります。
写真と動画:来院前の不安を安心に変える
競合院との差別化で最も効果的なのが、写真と動画の充実です。
特に美容鍼のように、施術内容や結果が気になるメニューでは、写真の質が予約率を大きく左右します。 以下の4つのカテゴリで、それぞれ清潔感と安心感が伝わる写真を複数枚用意しましょう。
- 【外観】入口や看板が分かりやすい昼の写真と、夜間も営業しているなら夜の写真
- 【院内】受付、待合室、施術室の様子。プライバシーへの配慮が感じられるか
- 【施術風景】どんな施術を行うのかが分かる写真(広告ガイドラインに配慮が必要)
- 【スタッフ】院長やスタッフの顔が見えることで、患者さんは安心して相談できます
投稿機能を活用!最新情報でアクティブさをアピール
Googleビジネスプロフィールには投稿機能があり、これは院の「今」を伝える絶好のツールです。
キャンペーン情報、営業時間の変更、季節の健康情報(例:「梅雨時期の頭痛ケアについて」)などを週に1回程度発信することで、Googleに「この院はきちんと運営されている」と認識させ、評価を高める効果があります。
「何を書けばいいか分からない」という方は、患者さんからよくある質問に答えるQ&A形式の投稿から始めてみましょう。
Googleビジネスプロフィールについては、こちらの記事でも詳しく解説してありますので、ぜひご覧ください。
→ 整骨院のためのGoogleビジネスプロフィール活用ガイド

予約に繋がる「口コミ」の増やし方と管理術

口コミの「数」と「質」、そして「新しさ」は、ローカルSEOにおいて最も順位に影響する要素の一つです。Googleだけでなく、患者さん自身も口コミを非常に重視しており、予約の決め手になることも少なくありません。
効果的な口コミ依頼の仕組み化
「口コミをお願いします」と口頭で伝えるだけでは、なかなか増えていきませんね。受付で自然に口コミを依頼できるフローを構築しましょう。
【① 依頼ツールを作ろう】
院のGoogleビジネスプロフィール口コミページに直接飛べるQRコードを記載した「名刺サイズのカード」を作成します。
【② ツールを手渡す】
施術が終わり、患者さんの満足度が最も高まる会計時に、「よろしければ、今後の励みになりますのでご意見をお聞かせください」とカードを手渡します。
【③ 依頼文面の工夫】
ただお願いするだけでなく、「〇〇(例:美容鍼)の施術はいかがでしたか?」と一言添えると、施術メニューに関するキーワードを含んだ質の高い口コミが集まりやすくなります。
低評価への真摯な対応
どんなに良い院でも、時には厳しいご意見や低評価が付くこともあります。
そんなときは、感情的にならずに誠実に対応することが、他の見込み患者さんからの信頼を得るチャンスに繋がります。
「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。真摯に受け止め、改善に努めます」といった丁寧な返信は、誠実な院の姿勢をアピールする上で非常に重要です。
広告ガイドラインへの配慮
口コミを依頼する際、特定の効果効能を書いてもらうよう誘導するのはNGです。
また、謝礼を渡して口コミを書いてもらう「やらせ」行為は、Googleのポリシー違反となり、ペナルティのリスクがあります。
あくまで自然な感想をお願いするスタンスを徹底しましょう。

「駅名×症状」で検索してもらうキーワード戦略

院の名前で検索される「指名検索」だけでなく、「地域名+症状(お悩み)」で検索している潜在的な患者さんに自院を見つけてもらうことが、新規集客を安定させる鍵です。
キーワードの選定
まずは、あなたの院がある「駅名」「市町村名」と、患者さんが検索で使う「症状名・サービス名」を組み合わせたキーワードを洗い出しましょう。例えば「渋谷 美容鍼」「新宿 鍼灸 肩こり」「中目黒 腰痛」といった具合です。
これらのキーワードで、実際にあなたの院が何位に表示されるかどうか、まず調べてみましょう。特に「美容鍼」「マタニティケア」のような、専門性が高く患者さんが遠方からでも訪れる可能性があるメニューは、重点的に対策すべきキーワードです。
症状別ページの重要性
Googleビジネスプロフィールの情報だけでは、各症状に対する専門性や施術の具体的な内容までは伝えきることは困難です。
そこで重要になるのが、公式ホームページ内の「症状別ページ」です。
Googleビジネスプロフィールが「即時予約のための入り口」だとすれば、ホームページは「症状や施術内容を深く理解し、納得してもらうための説明書」のような役割を担うものです 。
例えば「肩こり」のページなら、単に一般的な説明を掲載するだけでなく、具体的で地域性のある情報を盛り込めば、Googleからの「関連性」の評価が格段に高まります。
- ・なぜ鍼灸が肩こりに有効なのか
- ・あなたの院では、どのようなアプローチで施術を行うのか
- ・施術の料金や通院ペースの目安
- ・近隣の〇〇(ランドマーク)から通われている方の事例

忘れがちな「NAP統一」と「サイテーション」

ローカルSEOの評価は、Googleビジネスプロフィールの中だけで完結するわけではありません。インターネット上の様々な場所に掲載されているあなたの院の情報が、信頼性のシグナルとしてGoogleに認識されているからです。
NAPとは?
NAPというのは、Name(院名)、Address(住所)、Phone number(電話番号)の頭文字です。
この3つの情報が、公式サイト、GBP、各種ポータルサイト、SNSなど、すべての媒体で「一字一句違わず」統一されていることが極めて重要なのです。
次のような不一致のケースがよくありますので注意しましょう。
- 【住所】「1-2-3」と「1丁目2番3号」
- 【ビル名】あり/なし
- 【電話番号】ハイフンの有無
僅かな「表記ゆれ」で見逃してしまいがちですが、この不統一がGoogleからの信頼性を損ね、順位停滞の原因になることがあるのです。
サイテーションとは?
サイテーションとは、前項で述べたNAP情報が、他のWebサイトで言及・引用されることです。
例えば地域の商工会議所、業界団体、信頼できる地域情報ポータルサイトなどに院の情報が掲載されることで、「この鍼灸院は、地域で確かに存在し、認知されている」という証明になり、Googleからの評価が高まります。
まずは、掲載されているポータルサイトの情報を総点検し、NAPが統一されていなければ、統一されるようにしていきましょう。
重複リスティングの整理
過去に移転した際の古い情報や、スタッフが個人で作成してしまった古いGoogleビジネスプロフィールがインターネット上に残っているケースがあります。これを放置すると評価が分散してしまいます(これを重複リスティングといいます)。
順位が上がらない大きな原因となるため、不要なプロフィールは削除または統合していくという専門的な作業が必要になります。

医療広告ガイドラインを守り、法的リスクを回避する

鍼灸院のWebサイトやGoogleビジネスプロフィールは、医療広告ガイドラインの規制対象です。不適切な表現を使ってしまうと、行政指導のリスクがあるだけでなく、患者さんからの信頼まで失いかねません。
効果効能の表現はNG!
「必ず治る」「すぐに痛みが消える」といった断定的な表現や、効果を保証するような表現はNGです。施術の効果には個人差があることを明記し、客観的な事実に基づいた説明に留めましょう。
ビフォーアフター写真はNG!
特に美容鍼などでは、ビフォーアフター写真を掲載したくなりますすが、これも原則として掲載が認められていません。効果が誇大に見えたり、誤解を招いたりする可能性があるためです。
施術のプロセスや、院の衛生管理、使用する鍼の種類などを丁寧に紹介する方が、長期的には信頼に繋がります。
患者さんの声(体験談)には注意!
患者さん個人の感想を紹介すること自体は問題ありませんが、その内容が特定の効果をうたうものにならないよう、細心の注意を払いましょう。
掲載する際は、あくまで個人の感想であり、同様の効果を保証するものではない旨を併記することが求められます。
これらの規制は複雑で、判断に迷う場面も少なくありません。だからこそ、鍼灸業界のルールを熟知した専門家と相談しながら進めることが、安心して集客を続けるための鍵となります。
【まとめ】持続可能なローカルSEOで地域に選ばれる鍼灸院へ
鍼灸院のローカルSEOは、Googleビジネスプロフィールの最適化、口コミ管理、ホームページとの連携、そして広告ガイドラインの遵守といった要素を、継続的に改善していく地道な取り組みが求められます。一度設定すれば放置してもいいというような「魔法の杖」は存在しません。
しかし、日々の施術や院の運営で多忙な中、これらすべてを高いレベルで維持し続けるのは、決して簡単なことではありません。ローカルSEOは効果を出し続けるために、データに基づいた分析と改善を繰り返す必要があり、信頼できる「Webの専門家」というパートナーの存在が、その成否を大きく左右します。
私たちディプシーは、単にホームページを制作する会社ではありません。鍼灸院業界を深く理解する「貴院のWeb担当者」として、集患というゴールまで一緒に走り続けるパートナーです。サイト公開後も、アクセス解析や競合の動向を基にした改善提案を続け、地域で選ばれ続けるための持続可能な集客基盤を共に築き上げていきます。
もし、あなたが「何から手をつければいいか分からない」「自己流でやってみたが、なかなか成果が出ない」と感じているなら、ぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。貴院の現状をプロの視点で分析し、今本当に取り組むべき課題は何か、具体的な改善の一歩をどこから踏み出せばいいのかを、明確にご提案します。
